「QRコード? 何それ?」 キャッシュレスNOW

屋台でスマホを使い決済する女性客(福岡市中央区の「レミさんち」)

福岡の繁華街、天神。名物の屋台で、ほろ酔い気分の客がスマートフォンをQRコードにかざす。「キャッシュレスだとお釣りのやり取りや現金管理の手間が省ける」。人気屋台を営むフランス出身のグルナー・レミ(41)は目を細める。スマホ決済はコンビニエンスストアなど大手小売店では目にするが、中小零細店では現金取引が圧倒的。だが、福岡市の市長、高島宗一郎(43)は「地方都市から新しいお金の流れを作る」と宣言。8月半ばから約20店の屋台や市内の商店街の100店以上で導入を支援するなど市から現金をなくそうと動く。楽天ヤフーなど担当者らは乗り遅れまいと福岡に集まる。

楽天リサーチの2018年6月の調査によると、今後スマホ決済を利用できたらいいと思う場所は「飲食店」が33.5%と最も高かった。だが、電子マネーが使えない店舗は個人営業を中心に120万以上とされる。

「QRコード? 何それ?」「手数料高いんでしょ」。決済端末サービスのNIPPON PAY(東京・品川)社長、高木純(41)は2年前、QRコードの決済端末の営業で全国の商店をまわるたびに苦心した。説明会でもせんべいをかじる者、猫をかわいがる者とまともに相手をしてもらえない。

「お店のコストの減らし方」。クレジットカードに比べた決済手数料の安さなどメリットを分かりやすく解説した漫画冊子まで自主製作し、地をはうように代理店と配布。決済用のタブレットを無償レンタルすることで、16年の事業開始から2年で導入先は全国1万5千店舗にまで広げることに成功した。高木には忘れられない光景がある。14年、放浪で訪れたケニアの首都ナイロビ。人々が商店、飲食店など街の至る所でノキア(フィンランド)の中古携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)を使ってデジタル通貨をやり取りしていた。「日本はアフリカより遅れている」。高木にとって日本市場は“未開”の地だ。

エニーペイ(東京・港)社長の井上貴文(34)が狙うのはクレジットカードを持たない半面、銀行口座は持つ大学生や高校生。スマホ決済はクレジットカードとのひも付けが多いが、口座から引き落とす決済サービスをものにすべく各銀行に提携を働きかける。キャッシュレスは銀行にとってもろ刃の剣だけに苦闘するが「現金信仰を引っぺがす」使命感を背負う。(敬称略)

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